野良猫を保護した話

2024年2月、とても寒い日の夜。
リビングに面したベランダで、ガサゴソという物音が聞こえました。
「なんだろう?」と思って窓を開けると、
1匹のキジトラ猫がゴミを漁っていました。
私にびっくりして、すぐに逃げてしまいましたが、
痩せている猫で心配だったので、「タラほぐし(先住猫のおやつ)」をあげました。
すると、タラを咥えたままどこかへ逃げてしまいました。

もしかしたら、飼い猫だったかも…
けど、野良猫で困っているなら保護してあげたいな、と初めて見た時から思いました。

次の日も、その次の日もタラをねだりにやってくるキジトラ。
気付けば毎日朝晩来るようになっていました。
これは保護できるのも時間の問題では?と思ったのですが、
甘かった…

窓を開けた状態でリビングに足を踏み入れることができるようになったタイミングで、
最初の保護を試みました。(夫が勝手に実行。事後報告)

実行した作戦は、いつもどおりタラでおびき寄せ、
食べているタイミングで窓を閉めたということです。
が、窓を閉めた瞬間大パニック。
部屋中を暴れ周り、あちこちの物を壊し、しまいにはピアノの裏に隠れて出てこないという始末。
結局保護は諦め、1時間ほどで逃げていったそうです。
…そりゃそうだ。野生で生きてきた猫。
賢いに決まっている。そう簡単には捕まえられはしない。
夫は猛省。以降、私が主導して保護すると決意しました。

この件があって、もう我が家には来ないかなと思っていたのですが、
それから半年以上にわたってほぼ毎日ご飯を食べに来ていました。

失敗があってからは、徐々に人間に慣れてもらうよう、段階的に近づくことにしました。
目標を一つずつクリアしていく作戦です。

STEP①「ちゅーる」を食べることができる 
※簡単そうで難しい。
 警戒心が強い子だと、「ちゅーる」ごと奪って逃げていきます。
 優しい声掛けをしながら、根気強く距離を詰めていきます。
 手に持った状態で食べられるようになるのに1週間以上かかりました。

STEP②触ることができる
※これは「ちゅーる」を食べてから数日でできるようになりました。
 恐るべし、「ちゅーる」パワー。

STEP③抱っこができる
※これは半年ほど経ったある日、突然できるように。

STEP④ケージに入れて保護
※抱っこもできるし、ぐるぐる喉を鳴らし懐いてきたし、できるだろう!
 と思ってやってみましたが、あえなく失敗。
 また警戒心を植え付けてしまった…

だんだん焦りも出てきた秋頃。
足を怪我した状態で、歩くのもつらそうな姿でやってきたことがありました。
ご飯は食べるけど、明らかに歩き方が変。
傷も見える。

もう限界かな、早く保護しよう。
そう思って先住猫がお世話になっている動物病院へ相談しました。
そこで捕獲機を借していただけることに。

もう後はない。
1回で決着をつけなくては。
捕獲機の中に「ちゅーる」をセット。

おびき寄せるように、捕獲機の入り口から奥へと「ちゅーる」を点在させ、
「ちゅーるロード」を作ります。

捕獲機の金属が見えないよう、底面には新聞紙を敷き、
周囲はバスタオルで囲いました。

それでも警戒心Maxのキジトラは、1時間以上入ってくれません。
お互いの根くらべでしたが、空腹が限界に達したのか、
「ちゅーるロード」を進み、無事に捕獲成功!
捕獲後は意外とおとなしく、そのまま病院へ直行。
無事に治療を受けることができました。

1週間の入院を経てわが家に仲間入り。
動物病院のスタッフさんのおかげですっかり人慣れした状態で
来てくれました。

今では野良猫だったのが信じられないほど、
すっかり家猫さんです。

保護、大変だったなぁ。
最初から捕獲機を使用する方法もあったのだろうけど、
じっくり時間をかけたおかげなのか、
保護してからの懐き具合は早かったです。
(もちろん怪我をしていたら、早く保護するべきですね)

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